2018.10.23
目黒学院の新たな取り組み ICT教育
ICT教育
ICT教育には、次のような学習効果があるとされています。
(1)映像や音声などを用いて、子どもたちがわかりやすい授業を実現できる
(2)学ぶ内容のレベルやスピードを、一人ひとりの理解の状況や特性に応じて合わせることができる
(3)子ども同士が意見を共有しながら異なる考え方に気づいたり、話し合いを通じて自分の考えを深めたりすることができる
目黒学院においても、近々に完全導入を目指し、検討委員会を発足させています。
ICT活用による「主体的な学び」
上記のような効果が期待できるICTを活用した授業は、学習指導要領を通じて実現しようとしている「新しい学び」を推進するものとして期待されています。しかし、一方で(2)や(3)については、まだそれほど現実に実践されていないこともあって、これらに関する効果を感じている割合はまだまだ少なく、新しい学びとして期待されるICT活用による「主体的な学び」も、達成できているとは言えないでしょう。子どもが自由に意見を言い合える環境を整え、そこで学びを成立させる先生の力量が、ICT教育にはまず必要であり、これらを同時に整えるのはなかなか難しいと思います。また、学習記録や学習計画を自ら管理しながら、「主体的な学び」を実現するためには、タブレット端末が各生徒に一台あることが、基本的に望ましいでしょう。
ICTをどう使いこなすか
現代社会は、今やICTの技術なくして成立しないと思われます。生活のあらゆる場面にインターネットが入り込み、今後ますます便利になっていくでしょう。そうした中で、ICTをどう使いこなすかが社会全体の重要な課題ですし、また、人工知能などの急激な発展によって将来の仕事や生活は大きく変化するかもしれません。これからの時代に生きる子どもたちは、変化の中で主体的に人生や社会を創っていける力をつけることが求められています。2020年に迫った学習指導要領の改訂では、小学校でプログラミング的思考を学ぶ学習が取り入れられ、中学校や高校でもプログラミングは「技術・家庭科」「情報科」の観点で必須化され強化されます。プログラミングと言ってもコーディングのことかと思われがちですが、決してそんな単純な話ではなく、プログラミングや技術とは「利用する」だけのものではなく、それをもとに新たな価値を創り出せることを体験し実感することで、さまざまな課題を解決できる力を育むことを目的としています。
ICT教育のリテラシー
ただし、忘れてはならないのがデジタルだけで良いのかということでしょう。メディアの特性に応じて、紙媒体とデジタル、その両方の良さを理解してうまく使い分けていく力が必要です。また、ICTを使うこと自体が学習の目的ではなく、手段の一つであることも理解しておかなければなりません。ICTは学びを実現するためのツールの一つに過ぎず、目的に応じて主体的に使いこなすことが非常に大切で、その結果としてICT教育のリテラシー自体を高め、そこから新たな学びを生みだし、さらに未来を生き抜くために必要な「主体的に学ぶ力」を育むものと考えています。
参考文献:ベネッセ・コーポレーション「教育情報サイト」他