目黒学院中学・高等学校一貫コースの上級生は、精神的にも安定し楽しく充実した学校生活を送っています。彼らの中学から高校までの成長過程を思い起こしてみると、1つの集団や組織の中で人間関係や他の人とのかかわり合い、距離感を身につけられる「モゾモゾ期」は、ある意味、社会性を養う上で基盤となるところを体感的、感覚的に捉えられる貴重で重要な時期と言えるかもしれません。
ただ、その時期の真っただ中に置かれた当事者たちにとっては、周囲との関係の保ち方がまだつかめていなく、不快な気持ちが続き、時にとても辛い時期となってしまう可能性もあり、解決まで時間を要することもあるでしょう。彼らにとっては深刻で苦しい状況に置かれているのです。このような状況下では、子どものみならず、自分を客観的に見つめたり全体を俯瞰して見渡し、じっくり考えたり行動したりする余裕などないと言えます。
そのようなとき、もちろん基本的には生徒同士でお互いに気持ちを伝え合いお互い良い立ち位置を見つけ出せることが理想ですが、それがなかなか叶わないときもあります。この時期は、自然な形で複数の教員がそばにいて話しかけ、複数の教員の目で見守り、小さなシグナルも見逃さず、必要に応じて面談を行い助言や指導が手厚くできる体制を整えておくことが重要になります。
時が経つのは早いもので、第1回定期考査の答案が返されたときの一喜一憂した様子は遠い過去のことのようです。猛練習して臨んだ体育祭も成功裏に終えることができました。生徒たちは思う存分体を動かし、さわやかな汗をかき、歓声を上げて応援し、協力し合って取り組みました。そうです、彼らはまた一つ成長につながる有意義で貴重な体験を重ねたのです。
周囲の木々の緑が陽の光を浴びきらきらと輝いています。仮に生徒たちにこのような困難が立ちはだかったとしても、共に協力し合い乗り越えて行きたいと考えています。生徒たちには、たくましく一歩一歩確実に成長過程の階段を上がり、大いに輝きを発して欲しいと思います。